【レビュー】きちんとこれだけ公立高校入試対策問題集[きちこれ]

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きちんとこれだけ公立高校入試対策問題集

きちこれはどんな問題集か

きちこれ(旺文社「きちんとこれだけ公立高校入試対策問題集」)は、公立高校の入試で取れるはずの標準問題を、確実に取るための問題集です。

  • 時期:中3の2学期から入試直前まで
  • 目的:公立高校の入試で配点の大きい、基礎〜標準の問題を取りこぼさない
  • 合う子:模試の偏差値が50〜60程度で、公立高校を目指している子

この記事では、塾に行かずに長男の公立高校受験を見てきた経験も交えて、詳しい使い方と、時期や学力がこれと違う場合の使い方を書いていきます。

時期や学力が違う場合:使える子・合わない子

難問対策の本ではないので、ここを勘違いして買うと「物足りない」ということになります。定番の問題集ですが、定番だから誰にでも合うというわけではないんですよね。時期や学力が少し違っても使える子と、合わない子をまとめると、こんな感じです。

合う合わないこんな子理由
○ 使える中3の夏休み前で、受験用の問題集を選べずにいる夏休みから前倒しで始めれば、回せる回数が増える
○ 使える過去問に入ってから、1教科70点(100点満点)に届かない落としているのは、応用問題より基礎〜標準の問題のことがほとんど
× 合わない家で勉強する習慣がまだなくて、定期テストでも平均点に届かないまずは最基礎の問題集で、習慣をつける段階
× 合わない偏差値60を超える得意教科。過去問で80点以上を安定して取れる正直、物足りない。過去問演習か、1段上の問題集へ

きちこれの位置づけ:総復習・単元学習・仕上げのどこでも使える

公立高校の受験勉強は、だいたい次の4つの段階で進みます。

  1. 総復習:全教科をざっと振り返って、苦手をあぶり出す
  2. 単元学習:あぶり出した苦手を、単元ごとに潰す
  3. 実践:模試や過去問で、目標点数との差を確かめる
  4. 仕上げ:残り時間と目標点数の差から、やることを絞る

きちこれは、このうち1の総復習、2の単元学習、4の仕上げのどれにも使えます(3の実践は、模試や過去問の役割)。ただ、どこが使い方の中心になるかは、受験勉強の進み具合で変わります。

  • 順調な子:夏休み明けに、1の総復習として全単元を一通り解く。得意と苦手がはっきりしたら、そのまま2の単元学習として苦手を潰していく。
  • 遅れ気味の子:過去問に入ってから苦手な分野が見つかったら、4の仕上げとして、その分野だけをきちこれで確かめ直す。

1冊でこれだけ幅広く使えるのは、きちこれが基礎〜標準の内容を、本物の入試問題で確かめられる作りになっているから。

内容は基礎〜標準なので、全単元を一通り解いて苦手をあぶり出すのにも、苦手な単元を基礎から潰すのにも向いています。それでいて問題は全部、本物の公立高校の入試問題。直前期に解いても、そのまま入試の点数につながる練習になるんですよね。偏差値50〜60程度の子にとっては、基礎の問題集だと直前期には物足りないし、全国高校入試問題正解のような入試問題集だと難しすぎる。そのちょうど間にあるのが、きちこれだと思います。

なので、中3の2学期からきちこれをしっかり回せていれば、「3年間の総復習」のような問題集を買い足す必要は、まずないと思います。同じ問題集を何回も繰り返し周回することで、受験に必要な基礎力がしっかり定着してきます。この基礎力こそ安定した点数の大きな土台です。

似た問題集との違い

受験用の問題集は本屋にたくさん並んでいて、タイトルも似たようなものばかり。迷いますよね。ただ、選ぶときに見るのは、どの段階で使うかとどの学力の子向けかの2つだけです。

問題集使う段階難しさ合う子
高校入試 3年間の総復習シリーズ(各社)総復習やや基礎寄り受験の準備が間に合わなかった子の、臨時の対策
きちこれ(本書)総復習・単元学習・仕上げ基礎〜標準偏差値50〜60程度の公立志望
高校入試「解き方」が身につく問題集(旺文社)総復習・単元学習・仕上げきちこれの上位版きちこれのレベルは安定して解ける子
全国高校入試問題正解(旺文社)実践高い。量も多い偏差値60を超える層。偏差値60以下にはオーバースペック

総復習シリーズは、中3の秋を過ぎても準備が進んでいない子のための臨時の対策本。きちこれを早めに始められるなら、両方やる必要はまずありません。全国高校入試問題正解は、偏差値60以下の子には正直オーバースペックです。

中身の特徴(2026年版・三訂版)

2026年6月19日に、5教科とも三訂版になりました。作りはどの教科も共通です。

項目内容
構成単元ごとに「要点まとめ+過去問演習」
問題の選び方全国の公立高校入試から、配点も難しさも中くらいの「標準問題」の過去問を厳選
別冊取り外せる「入試の要点必修 BOOK」+赤セルシート
特典「都道府県別アドバイス」をWebでダウンロード
量と価格(理科の例)本冊128ページ、別冊32ページ+16ページ、1,320円(税込)

問題はどれも、全国の公立高校で実際に出た入試問題。入試問題といっても、聞いているのは結局、基本的なことなんですよね。それを子どもが実感できる作りです。

量は受験用としては少なめですが、その分何周も回せるので、むしろ長所だと思っています。

ちなみに、同じシリーズの「5教科模試」(改訂版、3回分、1,430円)は本番形式の演習用。単元学習用ではないので、買うときは注意を。

使い方:過去問の前と後で役割が変わる

きちこれは、志望校の過去問に入る前と後で使い方が変わります。過去問に入るのは、早い子で12月、標準的なペースなら年明けくらいのイメージです。

過去問に入る前:総復習から単元学習へ

  • 始める時期:順調なら中3の2学期から。夏休み前に受験用の問題集で迷っているなら、夏休みから前倒しで始めるのもありだと思います。早く始めた分だけ、回せる回数が増えます。
  • 回し方:基本は全問題を2周。残り時間が少なければ、2周目は×の問題だけ。目標点数が高くてほかにやることが多い子は、早めに済ませて次に進むのも一つの手です。
  • 教科の進め方:5教科を同時に進めるか、教科ごとに進めるかは、続けやすい方で大丈夫。
  • 分からない単元:解説を読んでも分からないときは、スタディサプリなどの映像授業で理解してから戻るのが効率的。

志望校の過去問:この段階では手をつけず、最後の調整用に取っておきます。一度解いてしまうと、同じ力試しはもうできないからです。焦る気持ちは分かりますが、ここはぐっと我慢。

過去問に入ってから:仕上げとして苦手を潰す

過去問に入ったら、きちこれは「苦手を潰すための1冊」に役割が変わります。流れはこんな感じ。

  1. 過去問を何年分か解く
  2. 点を落としている単元を見つける
  3. その単元だけを、きちこれで基礎から確かめ直す
  4. また過去問や類題に戻って、点が取れるか確かめる

この往復の繰り返しです。

「点が取れないのは、応用問題が解けないから」と思いがちですが、過去問で70点に届かない子の多くは、本来取れるはずの基礎〜標準の問題を落としています。公立高校の入試は、配点の多くがそこにあります。直前期でも、基礎に戻ることを怖がらなくて大丈夫です。

我が家での使い方

我が家では、長男の高校受験(2026年春、兵庫県の公立高校)で使いました。

  • 教科:理科と社会
  • 分野:社会は地理、理科は物理と化学
  • 使い方:過去問に入ってから、見つかった苦手分野の対策として

理科と社会は、分野どうしが基本的に独立しています。地理が苦手でも歴史には影響しないし、物理が苦手でも生物は普通に取れたりする。苦手な分野だけを狙って潰しやすい教科なので、この使い方とは相性がいいと感じています。

時間がない中でこれだけに集中して、再度過去問に取り組む。このシンプルな流れは直前期には相性が良かったです。

きちこれの前と次の1冊

状態次にやること
難しくて進まない1段下に戻る。中3の秋以降なら「3年間の総復習」シリーズ。勉強の習慣からなら基礎問題集
2周して、安定して解ける過去問へ。時間があって目標も高ければ「解き方」が身につく問題集
過去問で安定して80点以上取れる教科きちこれには戻らず、過去問で実践的な演習を

よくある相談

Q. 中3の10月。理科の偏差値46、社会52。理社の全範囲の復習が手つかず。志望校は偏差値52前後の公立

A. まさにきちこれの出番。一通り解いて得意と苦手をはっきりさせ、目標点数と照らし合わせて、苦手を潰すかほかで点を取るかを決めます。

Q. 中3の9月。偏差値50で、偏差値60の公立を目指している

A. きちこれがメイン。英語が50前後なら、英単語と文法の総復習も効果的です。ただ、9月から10上げるなら、ある程度無理してでも量をこなす覚悟は必要。公立高校はどこも対策の仕方が同じなので、志望校を下げるかどうかは最後に決めれば大丈夫だと思います。

Q. 中3の夏休み前。受験用の問題集が多すぎて選べない

A. それなら、きちこれを夏休みから前倒しで。早く始めて回数を重ねる方が、問題集を増やすより点数につながりやすいです。

まとめ

  • 合う子:中3の2学期から、偏差値50〜60程度で公立を目指す子が、取るべき標準問題を確実に取るための1冊。
  • 特徴:基礎〜標準の内容を、本物の入試問題で確かめられる。だから、総復習・単元学習・仕上げのどこでも使える。
  • 使い方:過去問の前は全問題を2周。過去問に入ってからは、見つかった苦手の単元だけを確かめ直す。志望校の過去問は最後まで取っておく。

高校受験対策で偏差値50~60程度なら、これを選んでおけば間違いありません。
受験対策の初期から、直前まで使える問題集といえます。

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