過去問はいつ、何のために使うか
高校入試対策といえば過去問の話は避けて通れません。ただし、単に解いて点数だけを見て、、ではかなり意味が薄いです。
過去問は、入試までの残り時間で何をやるかを決める羅針盤のような教材だと思っています。この記事では、塾に行かずに長男の公立高校受験を見てきた経験も交えて、過去問に入るまでの準備と、解いたあとの使い方を書いていきます。
過去問の取り組む時期や目的を簡単にまとめると以下のようになります。
- 時期:早い子で12月、標準的なペースなら年明けから
- 目的:点数を知ることより、点を落としている単元を見つけて、次に何を勉強するかを決める
- 量:偏差値55の志望校なら、5年分から10年分くらい
過去問に入る時期と、それまでの実践演習
志望校の過去問に入るのは、早い子で12月、標準的なペースなら年明けくらいのイメージです。
それまでは、志望校の過去問には手をつけずに取っておきます。
理由は、過去問が最後の調整に使う貴重な教材だから。一度解いてしまうと、同じ力試しはもうできません。秋のうちに解き尽くしてしまうと、いちばん大事な直前期に、今の力を測るものがなくなってしまうんですよね。
といっても、入試レベルの問題に慣れる演習は、秋からも必要です。そのときは、志望校の過去問とは別の教材でまかないます。
| 教材 | 使い方 |
|---|---|
| 学校配布の入試対策問題集 | 分野ごとの実践演習 |
| 以前受けた模試 | 間違った分野の問題だけを解き直す |
| 他県の過去問 | 分野ごとに、入試レベルの問題を集める |
たとえば数学で、計算は取れるけど関数の大問の後半で落とす子なら、この3つから関数の問題だけを集めて解く。そんな使い方です。
模試でできなかった問題をこの時期(過去問の前)に取り組むのはかなりおすすめです。入試問題ほど難しく無いが、ある程度の実践形式の問題なので難易度的にちょうど良いし、できなかった分野の対策も兼ねるからです。
過去問の使い方:解く→見つける→戻る→確かめる
志望校の過去問に入ったら、次の流れを1セットとして回します。
- 過去問を数年分解く
- 点を落としている単元を見つける
- 苦手分野の単元学習を行う
- 旺文社の「きちんとこれだけ公立高校入試対策問題集」(以下、きちこれ)などの問題集で、その単元の基礎を確かめ直す
- もう一度、過去問や類題で点が取れるか確かめる
1. 過去問を数年分解く
1年分だけでは、たまたま苦手な問題が出たのか、本当にその単元が苦手なのか、判断がつきにくいです。何年分か解いていくと、毎年同じように落としている単元がだんだんはっきりしてきます。
2. 点を落としている単元を見つける
ここで大事なのが、過去問の点数。目安は1教科70点(100点満点)です。
| 過去問の点数 | 落としているもの | 次にやること |
|---|---|---|
| 70点に届かない | 本来取れるはずの基礎〜標準の問題 | 落とした単元の単元学習 |
| 80点以上を安定して取れる | 基本的には問題ない。簡単な部分での取りこぼしが無いか確認。 | 過去問で実践的な演習を重ねる |
公立高校入試は基本から標準で7割は取れるようにできています。7割行かないということは、この部分の取りこぼしが複数あるはず。ここの見極めが過去問の取り組みでの最重要ポイントです。
8割以上の子も基礎から標準での取りこぼしが無いかのチェックは大切です。基本的には他の都道府県や過去問で実践的な演習を重ねていけばOKです。
3. 苦手分野の単元学習を行う
苦手が見つかったらその分野の単元学習に取り組みます。ここで向いているのが、基礎〜標準の内容を本物の入試問題で確かめられる「きちんとこれだけ公立高校入試対策問題集」。入試問題といっても、聞いているのは結局、基本的なこと。ここでは「その単元の基本が分かっているか」を確かめるのが目的です。

4. 理解できていない単元は、映像授業で理解に戻る
何度も点を落とす単元は、そもそもの仕組みが分かっていないことが多いです。そういう単元は、問題集の解説を読むより、スタディサプリなどの映像授業で理解してから演習に入る方が早い。授業1本が短く、苦手な単元だけを選んで見られるので、時間のない直前期との相性もいいと思います。
解説を読めば分かる単元なら、このステップは飛ばして大丈夫です。

5. もう一度、過去問や類題で確かめる
最後に、入試問題に戻ります。基礎が分かったあとで解くと、入試問題は形や聞き方を少し変えて、基礎を聞いているだけだと分かるはず。そうなれば、その単元が出ても苦手意識を感じにくくなります。
志望校の過去問というはっきりした目標があるので、何度も間違える単元は、本番でも出る可能性が高い単元です。この往復で、本番で落としそうな単元を1つずつ潰していく。それが過去問のいちばんの使いどころだと思います。
苦手な単元を全部潰すわけではない
過去問に入っているということは、入試までもう時間があまりないということでもあります。見つかった苦手を全部潰そうとすると、まず間に合いません。
潰すか、ほかで点を取るかは、次の2つで決めます。
- ほかの分野とのバランス:ほかの分野が取れていて、その分野だけが極端に低いなら、伸ばす余地が大きい
- 目標点数:目標点数まであと何点足りないか。その差をどこで埋めるのがいちばん早いか
たとえば、中3の12月で理科の目標が65点。正答率が物理2割、化学6割、生物8割、地学5割という子なら、ほかの分野をさらに伸ばすより、物理を2割から5割くらいに上げる方が現実的。物理は理解さえすればぐんと伸びる分野なので、ほかがこれだけ取れているなら取り組む価値があります。
ちなみに、理科と社会は分野どうしが基本的に独立しています。物理が苦手でも生物は普通に取れたりするので、過去問で見つかった苦手な分野だけを狙って潰しやすい教科だと思います。
我が家での過去問の使い方
長男の高校受験でも、この流れで過去問を使いました。
- 見つかった苦手:社会は地理、理科は物理と化学
- 潰し方:その分野だけをきちこれで確かめ直して、過去問に戻る
地理は知識と問題慣れも大切な分野。地理の基本事項を確認しながら、入試問題形式で確認できるきちこれはまさにうってつけでした。
苦手な理科は、難しい問題は捨て、習得が容易な基礎問題を確実に特典できるよう基礎の確認。理科は攻めの姿勢より守りの姿勢(とにかく簡単な問題を落とさない)に徹して、極力他の科目の足を引っ張らない戦略で行きました。
よくある相談
Q. 過去問は何年分やればいい?
A. 偏差値55の志望校なら、5年分から10年分くらいが目安です。ただ、解いた年数より、解いたあとに苦手な単元を潰せたかの方が大事だと思います。
Q. 中3の10月。数学の偏差値50で、計算は取れるが、関数と図形の大問の後半で落とす。志望校は偏差値55の公立
A. 計算が取れるなら、関数を強化します。図形は時間がかかりますが、関数は理解が進めば短い時間で点数を伸ばせる分野。学校ワークやぴたトレで理解を進めてから、学校配布の入試対策問題集、以前の模試、他県の過去問から関数の問題を集めて解きます。志望校の過去問は、この時点ではまだ取っておきます。
Q. 中3の11月。英語の偏差値50。単語も文法も土台がなく、長文は単語が分からず読めない
A. 志望校によって、過去問の使い方が変わります。
- 偏差値45の公立なら:英語は過去問で目標点が取れるならそれをキープして、時間を理科・社会に回す
- 偏差値55の公立なら:英語の薄い問題集を1冊やりきって自力を少しでも高め、年明けから過去問で取れるところと取れないところをはっきりさせる
まとめ
- 時期:志望校の過去問は、早い子で12月、標準なら年明けから。それまでの実践演習は、学校配布の問題集、模試、他県の過去問で。
- 使い方:解く→点を落とした単元を見つける→映像授業ときちこれで基礎に戻る→もう一度確かめる。
- 物差し:70点に届かないなら基礎〜標準の取りこぼし。80点以上が安定するなら実践演習を重ねる。
過去問は解いて終わりではなく、次に何をやるかを決めるための教材。直前期でも基礎に戻ることを怖がらず、落としている単元を1つずつ潰していく。それが結局、いちばんの近道だと思います。
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