はじめに:うちの子が勉強しない——それは“怠け”ではない

「うちの子、ほんとに勉強しないんです…」中学生の親あるあるですよね。
我が家にも中学生が2人いますが、タイプはまったく別。
長男は“現実逃避+危機感薄め”タイプ、
長女は“分かっているけど腰が重い”タイプ。
同じ家庭でもタイプが違うと、関わり方の正解も変わります。
この記事では、個人的見解から「勉強しない中学生」を5タイプに分け、それぞれに合った関わり方を具体的に紹介してみます。
勉強しない中学生は5タイプに分かれる(個人的見解)
① 反発タイプ(干渉されるのがイヤ)
特徴
- 親が何か言うとすぐ反発
- 「今やろうと思ってたのに!」が口癖
- 自分で決めたい気持ちが強い
背景
中学生になると「自分でやりたい」という自立心が強くなります。
親が管理しようとすると、それだけでやる気が下がるのです。
関わり方
- 「任せる」「信頼して見守る」姿勢を取る
- 勉強環境(時間・場所・ツール)を整え、口出しを減らす
- 結果よりも「自分で決めた」過程を尊重する
② 無気力タイプ(どうせできないと思っている)
特徴
- 「勉強してもムダ」と言う
- テスト前でも動かない
- やる気がないというより“自信がない”
背景
過去の失敗経験や「できない自分」への思い込み。
結果が出ないと、「どうせ頑張っても意味がない」と感じやすいです。
関わり方
- 点数より「できたプロセス」を褒める
- 小さな成功体験を積ませる
- 「頑張れば伸びる」という実感を家庭でサポート

③ 快楽逃避タイプ(スマホ・ゲームに逃げる)
特徴
- 勉強よりスマホ・ゲームが優先
- 「あとでやる」と言いながら夜になる
- 気づけば動画・SNSに夢中
背景
勉強は「すぐに成果が出にくい」のに対し、
スマホやゲームは“即効で快楽・達成感が得られる”。
脳の報酬系がそちらを優先してしまう構造です。
関わり方
- 「禁止」ではなく“ルールと仕組み”で管理する
- 「やるべきことが終わったらOK」にする
- リビングでの使用・時間制限を設定


④ 危機感がないタイプ(“まだ大丈夫”と思っている)
特徴
- 成績が下がっても焦らない(たまたま、次頑張ればOK)
- 「次頑張る」「まだ中1だし」と言う
- 行動に移るまでに時間がかかる
背景
小学校の“勉強しなくても何とかなった”感覚を引きずっており、中学でのスピード感・積み上げ学習の厳しさを実感できていません。また、高校受験も「何とかなるさ」という感覚で本当の厳しさを実感できていないです。親から見ると常にやきもきするタイプです。
関わり方
- 成績や順位を“見える化”する(グラフや記録)
- 比較ではなく「自分ごと化」を促す質問を
- 模試を受けて数字を実際に見せたり、カレンダーで勉強できる時間を確認させる
- 勉強スケジュールを立てることで、こちらに意識を誘導する

👦 我が家の長男の場合
長男はこの③+④タイプ。
危機感は薄く、それ故、何となくスマホで時間を浪費しがち。
“危機感”はうっすらあるけれど、行動に結びつかない。
そこで実践したのが「ご褒美ノート」と「勉強ルールの可視化」。
たとえば、
- 勉強を〇分したらゲーム〇分OK
- テスト点アップでポイント加算
という仕組みベースのルールに変えたところ、
少しずつ自分で計画するようになりました。
⑤ 分かっているけど、腰が重いタイプ
特徴
- 「やらなきゃ」と思っているのに動かない
- 宿題を“始めるまで”に時間がかかる
- やり始めれば集中できる
背景
やる気がないわけではなく、**“行動までのエネルギー”**が足りない。
完璧主義や「面倒くさい」という抵抗感が強い子に多い傾向です。
やらないといけないと思っているけど、心の底からは必要性を感じていないので、面倒くさいが勝っている状況ともいえます。
関わり方
「“分かっているけど動けない”タイプには、行動までのハードルを下げる仕組みが効果的です。
たとえば、家庭学習スケジュールを立てて“何をやるか”を明確にしたり、
集中しやすい環境を整えて“すぐ始められる”ようにするのがポイントです。」


👧 我が家の長女の場合
長女はまさにこのタイプ。
「やらなきゃ」は分かっていても、なかなか腰が上がらない。
「テスト勉強、そろそろやらないとね」と声をかけても、「うん」と返事してから1時間…ということもしばしば。
効果があったのは、“始めるためのスイッチ”を用意すること。
タイマーを5分にセットして、「5分だけでもやってみよう」と声をかけると、不思議とそのまま30分続くようになりました。
叱るよりも「仕組みで支える」家庭の関わり方
子どもは、叱られても行動を変えません。
「怒られた=やる気が下がる」になってしまうことも多いもの。
一方で、「やれる仕組み」があると自然に動き出します。
- ご褒美ノートで成果を見える化
- リビング学習で集中しやすくする
- スマホ・ゲームの使い方をルール化
こうした**“行動を促す仕組み”**を整えることが、
親ができる最も効果的なサポートです。
まとめ:勉強しないのではなく、“まだ動けていない”だけ
中学生が勉強しない理由は、怠けでも反抗でもありません。
「できない」「気が進まない」「まだ現実味がない」——
つまり、“まだ動けていない”だけなのです。
親がすべきことは、叱ることでも管理でもなく、「仕組みを整え」「きっかけを作り」「信じて見守る」こと。
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